「朔太」さんのページ

総レビュー数: 833レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

従来になかったスタイルで魅せた作品。
結構、巷では話題になっていたように思います。

まずは、台詞の多さ。
NHK番組中学生日記のような教育現場に焦点を当てているにも関わらず、一般的ないじめや受験、不良、親の二極化などのありきたりな教育テーマにはそっぽを向いて、先生と先生、生徒と先生が細部のディベートを繰り返します。
読者はこんな理屈が滔々と語れる中学生はおらんだろうと思うから、ここで脱落するものも多いのをモノともせず、最後までこのスタイルを貫きます。

次に、論理の理屈ぽさ。
私は、11巻を完読しましたが、2か月の時間をかけて読みました。
その原因はああ言えばこう言う形の理屈の重畳が、読む気をダウンさせるから。
1日1話でお腹満杯になる感じで、読み進められないのですよね。
しかし、先々の展開が気になって途中で諦めることはしませんでしたが。
この辺りは同じように理屈っぽい「なにかもちがっていますか」に比べて面白さが劣ります。

途中相当だれますが、11巻にて私の満足度は逆転満塁本塁打のように急上昇しました。
理由は、「神の娘」の実在ぷりです。
神の娘こと、小川蘇美への敬いぶりに違和感を感じていたのですが、最後は納得できました。
大人の世界でもこんな女性がいたらなあ、と憧れ度満点です。

また、演劇の指導内容に玄人の匂いを感じました。
作者は演劇の理論に相当造詣が深い印象です。
どうやら、本作品は、演劇のテクニックがふんだんに盛り込められているようですね。
画期的な手法による新しい漫画に出会えたことに大変満足しています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-11-30 17:17:21] [修正:2023-11-30 17:17:21] [このレビューのURL]

闇社会で、他者に受けた屈辱などをありとあらゆる方法を
用いて昇華させる「回収屋」の物語です。
その世界へ足を踏み入れてしまった青年・ドラこと竜夫の
運命を、激しい暴力描写とともに描くのですが、グロさは
半端なく暴力表現も遂にここまで来たかと仰天する次第です。

シマウマそのものに謎がつきまとうのですが、なかなか
進展せずじれます。
レビューがないのが意外でしたが、最後まで読める方が
少ないのかもしれません。
グロさの気持ち悪さを堪えながら、9巻まで我慢しましたが、
これ以上は不快さが先行してしまいましたので、撤退を致します。
映画化されたのが信じられません。
残念ですがもう戻っては来ません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-11-25 12:01:26] [修正:2023-11-25 12:01:26] [このレビューのURL]

女子プロ硬式野球が戦後まもない昭和20年代に始まって
いたというのは、初めて知りました。
ほぼ史実に基づいた内容とのことで、なかなか興味深いものです。
伝記になりがちな内容を、タイムスリップを使って謎を深める
ことで、ほど良いエンターテイメントになりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-11-19 16:02:56] [修正:2023-11-19 16:02:56] [このレビューのURL]

面白い。
ラブコメが苦手な私でも、たちまち3巻をよんでしまったw。
エロいシーンは全く出てこないのに、その辺の官能漫画よりエロい。
女性が望むエロとはこうなのかもしれない。
ただし、男性心理と言うか、男性の性は理解されていないが。
注文をつけるとしたら、旦那が絶賛する妻の美貌、可愛らしさに
もっと共感が得られる画であればとは思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-11-12 16:56:47] [修正:2023-11-12 16:56:47] [このレビューのURL]

再婚者同士の結婚によって、幼馴染の同級生が兄弟になった
ところから始まります。
少年誌にありがちなラブコメディですが、同じ設定で似た
ような内容では、どうしても巨匠あだち充氏と比べてしまいます。
思春期の男女の微妙な機微が全くと言っていいほど表現
できておらず、感情移入ができません。
主人公とヒロインが心惹かれる感情に共感できません。
男女が一つ屋根の下で暮らせば、オートマチックに恋に
落ちるんだと言わんばかりです。

技量不足を補うためか、編集者の強引な要求なのか、毎回
ヒロインの水着や下着姿、挙句は裸で読者サービスの連発です。
読めば読むほど、あだち充氏の偉大さが際立ってきます。
まあ、4巻打ち切りが妥当なところでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-11-05 17:07:14] [修正:2023-11-05 17:07:14] [このレビューのURL]

前作ほどの衝撃はないかな。
せっかく良い設定を見つけたんだから、いきなり殺人や犯罪に
結びつけなくとも、いろいろ面白い展開も望めたんじゃないかな。

ヒルって人種は果たして、将来に悲観した空虚な人間だけなのかな。
案外、楽に生きたいだけの単純な人間であって欲しい気もします。
もったいないw。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-10-28 10:08:54] [修正:2023-10-28 10:08:54] [このレビューのURL]

花小路ゆみさんの作品に登場する女性は、本当に美しくグラマーです。
ぷっくりとした唇とふっくら頬っぺたも実に私の好みです。
そっくりな二人の女性が、誰にも気づかれずに生活を入れ替えてしまいます。
その結果、生まれる大混乱が物語の主な展開。

読み終えてみると、大きな事件もなく、大した意外性もない
のですが、ついつい10巻最後まで読ませてくれました。
結末は、誰もが予想する通りのものでしたが、良かったです。
この作品はストーリーを読ませるものではなく、
二人の女性を愛でる作品ですね。

花小路さんの作品群の中でも代表作と言えるのではないかと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-10-24 07:34:14] [修正:2023-10-24 07:38:09] [このレビューのURL]

すごかった!
最後ぷっつり終わってしまったので、あと1話ぐらい後日談的な
ものでもあればよかったなと思います。
さぶろうの超人的働き、忠誠心、愛もすごいですが、
和子の強さや置かれた立場の理不尽さにも胸を締め付けられます。
他の人物の心も丁寧に描かれていて、ばっさばっさ人が
斬られるのを見るのは怖いですが、魅力的な作品でした。
さすが、小池一夫さんの原作でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-10-18 17:45:34] [修正:2023-10-18 17:45:34] [このレビューのURL]

受験漫画の先駆的作品ではないでしょうか。
受験漫画では、ドラゴン桜が一世を風靡しましたが、それ以前に
なかなかのテイストを持った作品が出ていたようです。

それでも少年誌です。
少年相手に東大や早大,慶応大と言ったところで、どこまで
実感があるのか疑問ですが、そのリアルさで受験の真剣さが
表現できています。
ただし、所詮コメディ漫画ですので、ゆるさがつきまとうわけですが。

4巻29話でしたが、最終話に近づくにつれて盛り上がりを見せます。
うまくまとめたように思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-10-15 08:58:41] [修正:2023-10-15 08:58:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ここまでレビュー作品数も700を超えた。
そろそろ過去の作品の中からマイベスト10を選んでみようかと
思っているところに、とんでもない作品に出会ってしまった。
面白かった。
マイベスト10あるいは5に入りそうな最高レベルの傑作だ。
これまで作品名さえ知らずに、偶然出くわした幸運に感謝
したいくらいだ。

サスペンスドラマとしても一級品の脚本だから、小説にしても
TVドラマでも良いものになるだろう。
実際、韓国で映画化された上、さらにはハリウッドで2013年
リメイク作品にもなり、好評だったようだ。
(私も後日、米国作品を鑑賞したが、オチは原作以上の分かり
やすさで高評価である。)
しかし、漫画ならではの味わいがあって、特に嶺岸氏の描く
アウトロー、闇世界の表情と相まって、最高の味わいが出ている。
初話から最終話まで、読む手が止まらない。
話の区切りでは、必ず次に繋がる謎や混迷が残るので、
凄さに圧倒されていた。
連載中に出会っていたら、毎号買っていただろうな。

サスペンスの質が何より上質である。
当初は、20年監禁された理由と監禁加害者が謎、監禁した
加害者への復讐劇かと思いきや、加害者の深い闇と対決、周到に
用意されていた舞台と罠の数々、そして大団円を迎えるのだ。
監禁理由がしょぼくて理解不能との声もありそうだが、私は
その辺は気にならなかった。
何しろ望みうるものは何でも手に入る人間が考えることなんだから、
凡人の常識を当てはめるのはナンセンスというものだろう。

むしろ謎解きの後にも残る謎の置き方に感服した。
既に3回読み直しているが、最後のエピローグまで完璧な仕上げ
を施してあるのには驚く。
漫画通ならば、この一冊を見逃すべからずである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-09-19 08:01:57] [修正:2023-09-19 08:01:57] [このレビューのURL]

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