「橙木犀」さんのページ

総レビュー数: 64レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年05月29日

[ネタバレあり]

主人公はヒロインの朝だけど、恋愛と心の揺らぎという面での注目株は、天人(てんと)だと思う。
他人に対して無愛想・無口な彼が、朝にだけ心配りを見せるのがとても印象的。
朝だけに「ありがとう」と素直に言ったり。
傷つくかもしれない事実を言葉にしないようにして、朝の気持ちを大切にしたり。
2卷で、朝の親友の杏梨に問い詰められて「桜井は大事な存在」と言っています。
“ああ、天人は本当に朝が大切なんだな〜”と(特に2卷に入ってから)2人だけの会話の端々で、しみじみ感じさせてくれます。初々しくて微笑ましい限りです。
まだ、天人の感情は恋愛にまで発展していませんが、これからの彼がとても楽しみ。
ビーチコーミング話と合わせて、注目していきたい。
もう一つの注目:朝と陸と満(みちる)の三角関係は、恋愛のようで恋愛でない気がしてなりません。
陸に対する満の様子が、恋愛感情というよりは“依存と執着”という面が強いように見えるし。
朝と陸はお互いに、もう手が届かなくなってしまった大切な人を相手の中に見ているように感じられるし…。
不毛な関係は読んでいて辛いので、少しでも前向きな姿勢が見えてきてくれたらな〜と思います。

※完結したので、レビューを更新♪
いや〜、最終巻の6巻で一気に萌え度アップしました!
5巻までは7点つけていたのですが、天人と朝のあまりのラブ度の高さにこっちがドキドキ。
陸と満の恋模様も、田中兄弟とお母さんの章子さんとの葛藤もそれぞれの形で解決し、前向きに歩いていけるようになってくれて、本当にホッとしました。
しかし、陸&満の関係がこういう風に落ち着くとは!?(私は)正直予想つきませんでした(汗)

天人と朝のこのラブラブ状態を、本編の高校生活中で描いてほしかったというのが正直なところですが、幸せそうな二人が本当に微笑ましかった。天人、良かったね(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-09-13 11:59:31] [修正:2007-09-13 11:59:31] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

単行本になるのを、今か今かと待っていました。

見た目は完全にデビルな主人公:船橋雅矢(通称まークン)。
けれど誰かのためにすぐ熱くなって手が出てしまったり、自分が悪いと悟ると反省したり、謝ろうと努力するピュアな一面も持っている。
喧嘩と撃破の連続だった今までの人生のせいか、世間ズレしてないところに船橋の面白さがあるのかも。


博識で常識人風でありながら、熱くなりやすく喧嘩っ早い、船橋の幼馴染み且つ悪友:山田。
船橋を“毒ヘビ野郎”と睨んで、自分が部長を守らねばと肩を怒らせたりしているけれど、船橋らの良いところを内心認めたりしている茶道部員(1年生):浅川夏帆。
まークンを取り囲む面々が、またアクが強くて面白い!


茶道部ネタと憧れの部長への恋心の行方が、これからどう転がるか。
不良との喧嘩騒ぎも、主人公の船橋が脱不良を目指しているので『今日から俺は!!』とはまた違った面白さと迫力が期待できそうです(笑)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-08-25 23:07:19] [修正:2007-08-25 23:07:19] [このレビューのURL]

人を癒すのって、穏やかさや包容力、そして優しさなんだと思っていました。
でも、それだけじゃないんだな。
損得勘定抜きのまっすぐな怒りも又、辛い人や悲しい思いをしている人を支え、立ち直らせてくれるのかもしれない。
カズラを知って、そう思いました。

ヒロインのカズラは、けんかっ早くて負けず嫌い。
すぐ怒鳴っちゃうし、策士な人間にすぐ乗せられてしまう性格。
でも、物事をまっすぐに見つめることが出来て、傷ついた誰かを見捨てることがない。
何より彼女の優しさは飾り気が無くて、とっても温かいんです。

いろんなものを背負わされて自分を押し殺してしまった人達が、彼女のまっすぐさと優しさに惹かれていく様子。そして少しずつ冷たかったものが温かなものに変わっていく様子が、ハラハラドキドキな展開で綴られていきます。

パワー全開!減速は全く無し!!なキャラの動きが特徴的なので、好き嫌いは分かれるかもしれません…。
2〜3巻ずつまとめて読んだ方が、ストーリーを把握し易いかもしれませんね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-24 23:47:59] [修正:2007-07-24 23:47:59] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

男でありながら母性本能に恵まれすぎているギンさん。
子どもを得られない哀しみを埋めるかのように、女装しながらベビーシッターを身体を張って務めます。

“全ての赤ちゃんにしあわせを 全てのママに笑顔を”がモットーのギンさん。赤ちゃん(子ども)の幸せのために、駄目な父母をビシビシ鍛え上げたりもするんですが、も〜可笑しくて可笑しくて(笑)
お行儀が悪い子にも、本場英国仕込みのしつけをビシビシと。
そういうの読むと、親って子どもに変に遠慮しちゃいけないよな〜って思います。


基本的に主人公のギンさん視点で物語は進みます。
時折、大人視点や子ども視点が主になる話もあり。
1話完結型なので、気が向いたときに読むのにオススメな作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-24 12:26:52] [修正:2007-07-24 12:26:52] [このレビューのURL]

大人って、年を取るからなるんじゃない。
育ててもらった思い出と、受け取ってきた愛情と、これから誰かを守っていくべき立場になったという自覚が、おとなを大人にするんだな。
読んでいてそう思いました。

優しいが優柔不断な面があった潤が、スミレと一緒に暮らすうちに色んな意味で、しっかりとした「大人」で「パパ」になっていく様子が、読んでいて心地よかった。
周囲の親子へと視点が広がって、見過ごせないような事に出会ったときに飛び込んでいく(或いは巻き込まれつつも、逃げ出さない)潤の「スミレちゃんパパ」ぶりに、爽快感を感じました。
逃げ出すことのない大人になりたいって思わせてくれます。

そして、全巻通しての感想なんですが、スミレちゃんがホント可愛い!ふくふくホッペも、ちっちゃな手も、ほんとほんとに可愛いんです!!
笑顔も勿論可愛いんだけど、泣いてる様子もギュ〜ッと抱き締めてあげたいくらいに愛らしくて…(笑)
ちっちゃな子ども(赤ちゃん)が大好きな人にとって、読む価値大!な漫画だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-24 11:37:36] [修正:2007-07-24 11:37:36] [このレビューのURL]

7点 ARIA

穏やかで優しく、読んでいてホッとする漫画。
何気ない毎日が、とても大切で、得難いものなのだと読むたびに思わせてくれる。

刺激的とは確かに言い難いし、人間関係も劇的に変化していくわけでもありません。
ゆっくりのんびり話が進んでいく作風が好きな人は、きっと気に入る漫画なのではないかな?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-16 13:48:25] [修正:2007-07-16 13:48:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

お酒の良さが全く分からなかった私に、その世界の奥深さと魅力を教えてくれた漫画。
父と一緒に、先を争うようにして読みました。

理想を追うということが、自分の信念に忠実に生きるということが、こんなに辛いものだということを始めて知りました。
周りを傷つけたり、苦しめたりすることなく素晴らしい働きを残せたらと、思わずにいられない。

夢を追うためには、見返りを求めず支えてくれる人が不可欠。
主人公の夏子を支え、彼女に想いを寄せ続ける草壁が、良い意味でいい男すぎ!
夏子にはちょっと勿体なさ過ぎるんじゃないか?と、一瞬思っちゃいました(汗)
でも、草壁の想いが実ってくれて本当に良かったです。読みながら、彼を応援していましたから(笑)

これを読んでから、日本酒のメニューを見るたびに「夏子の酒」で登場した酒を探してしまいます。
父と二人で、清酒について語り合うようにもなりました(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-15 02:09:39] [修正:2007-07-15 02:09:39] [このレビューのURL]

少年漫画onlyだった私に少女漫画の魅力を教えてくれた、恩人ならぬ恩漫画(笑)です。

透が語りかけてくれる言葉一つ一つが、見返り無く与えてくれる優しい微笑みが、とてもとても愛おしかった。
漫画を読みながら泣きたいくらい嬉しく感じたのは初めてだったので、衝撃的でした。

重くて、暗くて、悲しくて、痛々しくて。
そんな展開になっても、透のひたむきさは、一途な想いは輝いていたと思います。
透のあったかさは周りのみんなだけでなく、私達読者も包み込んでくれていたんじゃないかな。
少なくとも、私はとても癒されて、励まされました!

あと、もう一つ!
この「フルーツバスケット」は私に“萌え”を教えてくれた漫画でもあります(笑)
もう、夾を意識しだした頃からの透の可愛らしさに、なんど身悶え(自室でこっそり…(汗)したか分かりません!
一度でいいから、透をギュ〜ッと抱きしめてみたいと思わずにいられませんでした。

透が幸せになってくれて、本当に良かったです。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-15 01:13:21] [修正:2007-07-15 01:13:21] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

収録されている作品の趣向それぞれに特徴があるので、読んでいて全く飽きません。得られるものも、スカッとした爽快感か、ジーンと胸に広がる感慨か。
はたまた違うものが見えてくるのか。
私の場合、何度も読み返すうちに、5作品全てが1つのテーマで貫かれているように思えてきました。


憎しみと哀しみの糸で操られる美しき姫君と本気で戦おうとしない忍びが織り成す活劇「からくりの君」。

手に入れたいものを手に入れるために強さを求めながらも、握られたままの拳で何も掴めない自分に苦悩する武術家が、新たな道を見出す物語「掌の歌」。

夜に潜む己の内にある恐怖と向かい合おうとする少女。
そして、自分の中にある心の闇から目を背け、迷い続ける探偵。
そんな二人が桜舞い散る夜に出会い、自分にとっての夜の闇と対決する怪奇ロマン「夜に散歩しないかね」。


上記の3作品も、残りの2作品も「自分と向かい合う」ことがテーマのように感じます。
自分から踏み出すきっかけも、巻き込まれた中で与えられるきっかけも、がむしゃらにやり抜ければ、最後はどっちでもいいんじゃないかな。
読んでいて、そう思えました。







ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-07-13 11:11:39] [修正:2007-07-13 11:11:39] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

前作「紅茶王子」の主人公:アッサムと奈子。彼らのその後話が2作品収録(「夢の中の紅茶王子」「紅茶王子の姫君」)。
*現在連載中の「空色海岸」へとお話がつながっていってます。

「紅茶王子の姫君」について
小さな杏梨が癇癪を起こしながら泣きじゃくり、どうしたらいいのか途方に暮れる様子が、可愛らしい(笑)
アッサムと奈子が夫婦として強い絆で結ばれているのも、読んでいて素敵だなって思いました。

私が一番好きなのが「セロ弾きの紅茶王子」。
「セロ弾きのゴーシュ」ってこんな風に読み解くことが出来るんだ!って、初めて読んだとき、衝撃食らいました(笑)
ぶつけようのない怒り、どうしようもない自分の無力さに対する嘆き。生きていく上で、それらから逃れられない時があるかもしれない。
心を安らがせてくれる何かを、日常の中で探しておきたいなと読みながら考えさせてくれる作品です。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-13 10:02:29] [修正:2007-07-13 10:02:29] [このレビューのURL]