「朔太」さんのページ

総レビュー数: 838レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

弱小チームの第三野球部が、圧倒的な実力差を持った一軍や
強豪校を撃破していく様は痛快です。しかし、その勝ち方は
極めて不自然であり、「執念さえあれば何事も叶う」かの
ように全てが良い方に転びます。
まあ、しょせん漫画だから、と温かい目で見守る寛容さと
忍耐がやや必要でしょう。

22巻から飛翔編と改題した後は、プロ野球での活躍になり
ます。ここでも、活躍する自軍の選手は一握りで、投手に
至ってはあすなろ、桑本、柏木(しかも、ほんの少し)の
3名という不自然さ。
また、自軍を最下位に落として、それを口実に球団を売りた
いオーナーとの確執が主題で、飛翔編は負けさせたい
オーナーの妨害に遭いながらも、チームワークで切り抜ける
様を10巻にわたって続けます。
バカバカしくも、また非現実的ですが、これはこれで結構
純粋に頑張るあすなろや桑本に感動してしまいます。

幼稚ではありますが、少年誌の原点を見るようで、面白く
読ませてもらいました。
31巻と長編ですが、アッという間に読み切れました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-06 17:02:33] [修正:2016-11-06 17:02:33] [このレビューのURL]

原作の魅力が全てです。
面白いと思うのも、面白くないと思うのも全て原作への依存度が高い作品です。

原作は大好評だったようですので、人間の深層的な欲望に共感する人が多かったのでしょう。
人を奴隷にしたいと決心した途端に、もっと悪魔性が現れるような気がしますが、
そのあたりは少し抑制した感じがしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-02 03:17:18] [修正:2016-11-02 03:22:17] [このレビューのURL]

マイケルという猫を借りて、小林まことのギャグだけを
集めた短編集という気がします。
ストーリーをそぎ落としてマイケルの日常を通して、
猫の可愛らしさと人間のバカさ加減を笑います。
読みながら「馬鹿だねえ。」と思わずつぶやいています。

「1・2の三四郎」で非凡なギャグセンスを見せた後、
本作の連載が始まったようですが、私はこの短編もの
よりストーリーの間に挟むギャグの方が好きで、
「柔道物語」がその集大成に繋がったように思います。
とはいえ、本作品も小林まことの代表作として、
記憶に残る作品になりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-18 05:22:38] [修正:2016-10-18 05:22:38] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

複雑な説明で世界感を語ろうとするのだけれど、登場人物が
多すぎるので、理解は未消化のまま終わりました。
しかし、侵略者とその後の処理で、世界が嘘になって
しまったという点では、大筋でサプライズを与えて
くれました。この世界感がたまらなく楽しめた方は、
評価が高いでしょう。

もう一つは、主人公を取り巻く人間関係が、コンプレックス
と近親的愛憎にまみれていて、これが苦痛に感じる読者と
これを魅力と感じる読者で評価が分かれると思いました。

私は、残念ですが、世界感でも人間関係でも、感情移入できる
タイプではなかったようで、相当の速度で読み飛ばして
しまいました。

それでも最終巻近くでは、「優しいウソの世界」という
表題通りの共感を覚えましたので、そこそこ満足できる
できばえだったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-16 20:09:15] [修正:2016-10-16 20:09:15] [このレビューのURL]

少女誌向けラブコメというのは数あれど、ここまで徹底した
少年誌向けラブコメは前例がなかったような気がします。
あえて言えば、「タッチ」他あだち充先生の一連作品
でしょうが、少女向けでも通用しそうなテイストは、
初めてとも言えます。

ギャグの質はかわいい少女達のやることだから許される
ような誤解ネタが多すぎて、あまり笑えないものも
多いです。主人公の天満が天然の設定だからなのですが、
安易に誤解が誤解を生んで大混乱というのを乱発し過ぎで、
止めてほしいところでした。

一方で、準主役の播磨の一途さ、男気に筋が通っていて、
気持ち良かったです。私の一番のお気に入りは八雲
ですが、播磨がどんなに深い関わりを持っても、
いつまでも「妹さん」と八雲を呼ぶ姿勢に好感度大
でした。また、心揺れる八雲や沢近の姿がラブコメ
たる所以ですね。

ほとんどマンネリ化したパターンの連続ではありますが、
絵が可愛く週一度の清涼剤のような連載でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-09 17:29:40] [修正:2016-10-09 17:29:40] [このレビューのURL]

サスペンスドラマ仕立ての展開で、1巻目には期待も大きい
ところがありましたが、展開は遅いし、謎は深まらないし、
最後まで同じ興味で引っ張るし、2巻目以降はグダグダで
急失速でした。
暗殺者、記憶喪失的な二重人格がキーワードですが、今や
三流TVドラマでも使わないような設定の古さですから、
興味が続くわけがないです。

副題の「12人の優しい殺し屋」は、出てくるには出て
きたのでしょうが、主人公一人が中心に回る展開で、
他の殺し屋は完全な脇役ですから、全くふさわしく
ない副題でした。
オムニバスを想像していましたが、そんな深みはなく
期待して損した感じです。その失望が結構大きな
マイナスになりました。

女性漫画家特有の目ばかり大きく髪がさらさら人物と動き
のない絵面も好みでないこともあって、残念ですが、
私には合わなかったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-01 18:35:06] [修正:2016-10-01 18:35:06] [このレビューのURL]

ギャグ漫画として冷静な目で評価すれば、さほどでもない
のかも知れないですが、下ネタゼロで日本歴史上最高に
名を馳せたギャグ漫画であることは確かでしょう。

バカボン自身のキャラは立たず、バカボンのパパ(本名は
誰も知らない)、バカボンのママ、はじめちゃん(これが
また極めて人間性豊かな天才だからバランスがとれて、
ほっとできる役割)、レレレのおじさん、ウナギイヌなど
脇役のキャラが次々に受け入れられました。
TVアニメ化もあって、大人も含めて皆何かしらの知識が
あったのではないでしょうか。

恐るべき影響力で日本人全体の心に沁みわたった理由は
不明ですが、高度成長期の経済優先の真面目さへの反骨
精神が受け入れられたように思います。

赤塚不二夫自身が、ナンセンスギャグの権化として天才
扱いされる一方で、テレビなどメディアでは変人扱い
されていたように思うのは、本人の奇行以上に、本作品の
生みの親だからでしょう。
私の中では殿堂入り漫画の一つです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-19 18:27:47] [修正:2016-09-19 18:27:47] [このレビューのURL]

5点 雷火

ライカという少年を通して、邪馬台国時代のロマンや政略的
策謀を楽しませてくれました。邪馬台国を背景にしただけで、
道具や衣食住等相当の制約ができてしまう中で、神仙術を
駆使することで、窮屈さがなくなりました。

しかし、やはり沸き立つような盛り上がりは一度として
見せずにエンディング。何となく読み流した印象でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-17 04:47:50] [修正:2016-09-17 04:47:50] [このレビューのURL]

作品としては底流にある世界感の深遠さが売りなのに、
そこが伝わらないために、少年誌並みの単なるバトル
漫画に成り下がってしまってしまいました。
画は綺麗なだけに、残念です。

原作小説(未読です。すみません。)には存在したで
あろう悪だとか殺人鬼の存在理由などの、独特の
世界感について、小説なら紙面をたっぷりとって
説明できますが、漫画では説明は最小化される
必要があります。残念ながら、私には前提となる
「殺人鬼」や「零崎一族」の世界感が把握できま
せんでしたので、読み進めれば進むほど
フラストレーションがたまる塩梅でした。

漫画を原作にした映画やドラマは数多く生まれ、
その多くは成功していますが、その逆、つまり
小説を原作にした漫画はほとんど失敗に終わる
というのは、私だけの印象でしょうか?
本作品はまさにその典型例ではないでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-15 23:14:43] [修正:2016-09-15 23:14:43] [このレビューのURL]

2点 BADBOYS

田中宏のデビュー2作目にして、2200万部売った
大ヒット作品。高校在学中デビューですから、
高校生が身近な不良高校生を題材にした漫画と
言っても良いでしょう。

大ヒット作品ですから、相当根強いファンに
支えられたと思いますが、私は楽しめなかったので、
不思議マークが無数に出ています。
「やりたい、勝ちたい、楽したい。」の取り柄のない
金持ちボンボンが突然不良に転身して、チームの
リーダに納まる。次には広島で最大のアタマに挑戦
して、喧嘩に勝ちはしないが存在を認められて
広島No2に納まるなど、説得力のないことないこと。
ドラえもんのポケットほど荒唐無稽で妄想の世界と
言えます。リーダになれば後は力の世界で、
兎に角信じられないほどタフでさえあれば
話はつながっていきます。

田中宏はこのヒット作品に味を占めて、莫逆家族、
女神の鬼と全く同じ路線を繰り返すつまらなさ。
でも、後続の作品は、人間性を消した残虐な暴力、
恐怖で違った迫力を出しましたが、本作品では
その部分はまだまだ未熟な感じです。

さらに辟易とさせるのは、不良同士の友情と恋愛。
暴力と裏切りと恐怖でつながる不良の世界には、
不釣り合いなほど甘い甘い関係性を見せて、
気持ち悪くなります。
同様に仲間内の甘い関係性に追い打ちをかける
ような甘えたギャグが一層気持ち悪さを醸し
出します。
その気持ち悪さは、後続作品では次第に薄れて
いくので成長を感じますが、他人には残虐に
なれても身内には幼児性を残すような徹底した
甘えぶりは、いつまでたっても田中宏の不良・
はんぱ者に対する感性のようです。
(高倉健のような甘えない極道は、彼の感性
では有り得ない?)

残念ながら、私には全く美味しくない
漫画でした。田中宏は3作品読みましたが、
これで決別します。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-06 20:51:25] [修正:2016-09-06 20:51:25] [このレビューのURL]

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