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4点 編集王
画力が高いながら濃い劇画なのを置いても今読むには業界作品だけに古いなあというのが正直な感想。本作に言われる漫画業界の問題点はもはや散々言われた後になっている感じなのが(漫画ファンだからこそ聞いたことはあるのもマイナス)。そしてここも時代を感じるような熱血やギャグ調なのも人を選びます。
何より主人公が礼儀知らずの上から熱血馬鹿なのが鼻についてしまいました。もちろん本作自体も知名度を持つ作品だけに、現在に至るまでの問題提起に貢献したのは確かだとは思います
が、そういう意味での名誉枠を超えているようには思えませんでした。
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[投稿:2017-06-11 09:18:49] [修正:2017-06-11 09:18:49] [このレビューのURL]
8点 自殺島
自殺未遂者達を隔離した島で繰り広げられるサバイバル人間ドラマ。絵柄が独特で画力は高いとは言えないまでも、前作「ホーリーランド」にも通じる作劇の上手さ、今回は実体験と猟師への取材から得たサバイバル知識を絡めて読ませるものがありました。前作よりも解説の挿入が自然で読みやすくなっているとも思います。作者独特の語り口や優しさに溢れるメッセージ性には共感出来ました。
人物描写も前作よりも掘り下げていますが、主人公セイが猟師として成長して、グループの生活が安定して、途中からサワダ率いる他グループとの抗争がグダグダになったのが残念ですね。セイがとにかく強すぎるのに決断出来ずに話が続く格好で、サバイバルと呼べるものではなくなりました。結局武力排除になってしまったこともありなんだかなあと。
しかし、ラストの畳み方と読後感は前作よりもスッキリ出来るものがありました。そういう意味でも一気読み向け作品で、全体としては前作より向上した部分もあり(ヒロインが魅力的に機能しているなど)、作者にとってのもう一つの代表作と呼べる良作だったと思います。
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[投稿:2017-06-11 05:53:34] [修正:2017-06-11 05:53:34] [このレビューのURL]